いすゞ自動車が開発した低公害車対応のディーゼル畜圧式ハイブリッドバス『CHASSE』です。基本構造は三菱MBECSと同じで、減速時のエネルギーを油圧でタンクに蓄え、発進・加速時に圧力を開放させる力で動力補助をし、結果として発進・加速時の排気ガスを抑制するものです。CHASSEの特徴として、これら一連のエネルギー回生を効率よく行うために機械式オートマチックトランスミッションを採用している点が挙げられます。
ちなみに、「CHASSE」は「Clean Hybrid
Assist System For Saving
Energy」の略で「シャッセ」と呼びます。(メーカーの呼称では「E」の上に「´」が付きます。)
都営バスではCHASSE第一期生としてB代車で1台投入され、以後D代まで14台投入されています。なお、いすゞではCNG(圧縮天然ガス)バスも同時に投入しているので、CHASSEの配置はいすゞ車指定配属営業所のうち天然ガス充填施設を有する深川・臨海を除く新宿・小滝橋・大塚・巣鴨に対して行われています。すべてにアイドリングストップ機能が装備され、一般仕様ながらエアサスペンションとなっています。
(局番:C−B626 いすゞKC−LV280L改+いすゞ 江東区東雲付近)
都営で初めて投入された新宿営業所所属のC−B626。C・D代での増備車と異なり、屋根上にはエアコンのコンデンサが載っていない。また、B代のいすゞバス製造製車体の特徴となっているコーナリングランプも装備されている。(C代以降は廃されている。)形状的に見て珍車と言えよう。

(局番:E−C212 いすゞKC−LV280L改+いすゞ 江東区東雲付近)
C代では一挙に9台が新宿・小滝橋・巣鴨に投入された。屋根上にはらくらくステップ&ニーリング車やCNG車と同形状のコンデンサが載るようになった。

(局番:G−D247 いすゞKC−LV280L改+いすゞ 江東区東雲付近)
D代はほぼC代と同じ形状となっているが、D代で標準化された「側面方向幕下のガラス1枚固定」がC代と異なっている。大塚・巣鴨に計4台投入された。
都営バスのCHASSEとCNGは良く似ている。確かに車体後部に「CHASSE」とか「圧縮天然ガスバス」と記してあったり、所属営業所で判別できるが、パッと見て「えっ! どっちだっけ?」と迷ってしまうことも結構ある。それでも探せば違いがあるもので、以下に挙げる点で見分けることもできる。

左:CHASSE 右:CNG→CNGには側面の広告板枠の下に横長ルーバーがある。

左:CHASSE 右CNG→CNGではなぜか前扉上が黒くなっている。

CNGには、万一の火災の事態に備えて屋根上に安全弁(矢印の先)が付いている。


毎年初夏の時期に東京・代々木公園で催されている「低公害車フェア」では都営の低公害バスの試乗が行われていまして、平成11年は新宿営業所所属のいすゞCHASSE(局番:C−C209)が用いられました。上の2枚の画像はその際に撮影した運転台回りのもので、インパネ上部のメーターがCHASSE特有のものです。このメーターは油圧タンクにどれだけ圧力がかかっているのか、つまり圧力がどれだけ貯まっているのかがわかるものです。上の画像は発進してすこし経ったもので、既に圧力をほとんど出し切った状態でランプは2個だけ点灯しています。下の画像は停止したときのもので、減速時に圧力を貯めていたのでランプは6個点灯しています。おそらく他のハイブリッド型低公害車でも見られると思いますが、このようなメーター類の動きで低公害車の仕組みがよくわかるのは面白いですね。